2016年01月25日

課題の意図を読み取らない(読み取れない?)人の話


多くの受講生や学生の提出課題を見てきました。
割合としてはごく少数ではあるのですが、添削困難な提出課題に直面する事があります。

例えば「大人と子供の描き分けをしてみよう」という課題があるとします。
大人と子供では、「体型の違い」や「顔のパーツのバランスの違い」があり、そのポイントを押さえて描けば、大人と子供の描き分けが出来るようになります。

課題の意図が分かっていれば、自分なりに「大人と子供」を描いて提出するのが普通です。
提出された課題に対し、適切に描かれている部分にはOKを出し、描き分けられていない点は「作例を描いてアドバイス」をする。

このやりとりがあって「課題提出・添削」が成り立ち、描き分けのポイントを身につけてもらう事ができます。

ところが、「読み取れないから」なのか「意図的に」なのか判断がつかないのですが、必ずと言っていいほど「意図から外れた」課題作品を提出する人がごく一定数存在します。

例えば、
「カエルとおたまじゃくし」を描いて提出する人。

確かに大人と子供には違いないし、ネタとしては笑えます。

お互い「マンガを描く人間」なので、「ユーモアで解釈するセンス」は評価してあげたいとは思います。
しかし、課題は「人のキャラクターの描き分け」という「お題」なのですから、「カエルとおたまじゃくし」を提出されても添削のしようが無いのです。

実に対応に困る瞬間なのです(⌒-⌒; )


posted by かとう at 05:04| Comment(5) | マンガ専門学校の講師の仕事

2016年01月18日

1ページ描くのにかかる時間と原稿料の話



先日、専門学校の1年生の授業でこんな質問をしてみました。
「プロになったと想定して、自分の作品の1ページの原稿料がいくら位なのかを考えて答えてみて」

なぜこんな質問をしたのかというと、1ページを描き上げる時間とギャラとの関連性を認識して欲しいという意図でした。

初心者なので要領が分からず、模索しながら描いているから描き上げるまで時間がかかるというのは分かります。
しかし(人にもよりますが)、多くの学生は作品を描き上げるのに時間がかかり過ぎます。
心配なのは、今のペースに慣れてしまうこと。

描き慣れて来たら、短時間で描ける能力をレベルアップをしていく必要が出てきます。

で、その質問の答えですが「相場を知らないので分からない」…という反応。
「確かにマンガが描けるようになる」ことに集中しているのだろうから、原稿料のことなど考えたことすらないのかもしれません。

相場など気にせず、あえて考えてみてほしい…ということで答えてもらいました。
上は15000円位、下は2000円位という認識でした。

次に、1ページ描くのに何時間かかるのか?を考えてもらいました。

例えば、31ページ(アイデアから完成原稿まで)の実質作業時間を100時間位とすると(私の場合ですけど ^^;  )、100÷31で1ページにかかる時間は3時間と少し。

今の新人の原稿料の相場が分からないので、原稿料を8000円としてみます。
おおざっぱな計算ですが、私の場合だと8000÷3で、時給は約2700円位。

10時間かかる人は、時給800円。
5時間なら1600円。
2時間なら4000円…ということになります。

当たり前の計算ですが、かかる時間が少ないほど時給は高くなります。

作品を時給で換算するなど言語道断!と思われる人もいるかもしれません。
趣味で描くなら何十時間かかろうが問題ないですが、プロになると原稿料で生活していかなくてはならないという現実があります。
(作品がヒットし印税がたくさん入ってくるなら、時給計算など不要ですけど^^;)


「一定のレベルの作品を短時間で描き上げる」という才能は、プロとして生きていくためには重要な能力だという事を伝えたかったのですが、うまく伝わったかどうかチョット不安です^^;


posted by かとう at 11:17| Comment(2) | マンガ専門学校の講師の仕事

2016年01月11日

面白い映画



CS・BS放送で、面白そうだと思う映画を片っ端から録画しています。
タイトルや簡単な内容解説を参考に、ジャンルは問わず‥です。

時間を見つけては録画した映画を観るわけですが、始まって最初の15分以内に「どんな主人公」が「何をしようとする」映画なのかが伝わってこないと、それ以降は興味が持てなくなり、観る気がドンドン失せてきます。

30分過ぎても、相変わらず「どんな主人公」が「何をしようとする」映画なのかが伝わってこないと、「分からない、解らない、ワカラナイ…」と脳がSOSをだし始めます。
そうなるともうダメ。
「面白そう」という気持ちが失せて「つまらない」という思いが勝り、退屈で苦痛になり、途中で観るのを止めてしまいます。

逆に、冒頭に「主人公はこんな奴」「こいつがこんな事をしようとしている」というのが面白いエピソードで描かれていると、一気に画面に引きづりこまれます。

私にとって面白い映画というのは、主人公がどういうキャラクターで、なにをしようとしているのかが分かるようなエピソードを、面白く描いた導入部であることが最低条件になっています。

「最後まで観ないと面白いかどうかは分からない」という見方もあるとは思います。
つまらない映画を見て、何故つまらないのかを分析するという見方もあると思います。
最近の私は、時間を無駄にするより「面白いものを沢山観た方が良いと思う派」になっています(^_^)

posted by かとう at 07:34| Comment(0) | マンガ専門学校の講師の仕事

2016年01月04日

「ネーム」の描き込み具合


「ストーリーマンガ」を描く際の「ネーム」は、いわばマンガの設計図みたいなもの。
どんなコマ割りで、どんなセリフが入って、どんな絵を入れるのか…を決める作業なので本来ならば絵は大雑把でOKです。

学生にはマンガ描き初心者が多く、中には生まれて初めてコマ割りをして「ストーリーマンガ」を描くという人もいます。
私の授業では、「ストーリーマンガ」を描く勘所をつかんでもらう為に、最初は「ネーム」は丁寧に描いてもらっています。

そうしないと、「何が描かれているのか一向に分からないネーム」が出来上がってくるため、アドバイスのしようがないからです。
(大雑把でも、何が描かれているのか分かるように描くのは技術が要るものなので、逆に初心者には難しいものなのです)

ある程度マンガを描くことに慣れてくると、ラフなネームでも何が描かれているのか分かるようになってきます。
丁寧にネームを描くと時間がかかるため、「もっとラフに描いて時間を有効に使うように」と指導を切り替える事になるもですが、タイミングが難しい。

丁寧に描くことに慣れてしまうと、「ラフに描くことが出来なくなる」という困った状況が起きるようになります。
ネームに時間がかかる原因が、「丁寧に描いているから」…というのはよろしくないです。
コマ構成・ストーリー展開・演出のチェックに時間をかけるのが、本来のネームの時間の使い方だからです。

時間をかけず適切にネームを描き上げる能力は、プロとして活動を目指す上でかなり重要です。



posted by かとう at 05:31| Comment(0) | マンガ家を目指す皆さんへ