2017年01月24日

マンガを描き続ける



若い頃は、「マンガを描きたい!」「本に掲載してもらってみんなに読んでほしい!」という大きな欲求があった。
だから認めてもらうために、何作も何作も、何の報酬もなく描いては投稿し、描いては持ち込みを続けた。
全然苦ではなかった。
これからの長い人生に、可能性を感じる事が出来たからだと思う。
どれだけの時間と労力を費やしただろう。
思い起こすだけで目がくらむ。

マンガ家として活動できるようになって、原稿で収入を得られるようになったのは幸せな事。
マンガ家をプロとして続けていくと、「マンガを描くこと」=「収入を得ること」という事が当たり前になってくる。

そういう流れが出来てしまうと、「収入が発生しないマンガを描く」のがツラく感じられてくる。

仕事が無くなり、持ち込みをしても道が開てこない時期に突入すると、歳を取った分がんばれる量にも限度が出てくる。
昔は平気で描けていた「収入にならない原稿」を描く事が、こんなに辛いものかと思った時に、マンガを描き続けることの限界を感じた。

お世話になっている編集さんにお会いした時、こんなことを言われた。
「かとうさんにマンガを依頼する編集部はもうないと思います」
かなり冷たい言い方だが、悪気があって言われたのではない。
事実を素直に伝えられただけ。
15年間連載経験のあるマンガ家ではあるけれど、大ヒット作を生み出したわけでもなく、ネームバリューもない。
ましてや高齢(40歳でデビュー)となれば、扱いも面倒。
次々にイキのいい才能のある新人が出てきているのだから、よほどのヒットメーカーや巨匠でない限り出番を失っていくのがマンガ界。
そもそも厳しい世界だと覚悟は出来ていたはずだが、いざとなると心が寒くなる。

その編集さんが、続いてこんな事も言ってくれた。
「かとうさんのスゴイところは、依頼もされないのにマンガを描いて売り込んでくる事」
(ちなみにそのマンガとは「マンガのマンガ」のこと)
皮肉のようにも聞こえるけど、本気のようにも聞こえた。

依頼がなくても、必要とされるマンガを描けばいい。
例え編集部に売り込めなくても、自分でなんとか出来る環境が整ったのが今という時代。
まだまだ頑張りようはあるのかも…という気になっている今日この頃です。



posted by かとう at 05:44| Comment(0) | myマンガ道
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