2012年08月13日

中国でのマンガ授業(12)

7月31日の日記。

講義最終日。

昨夜も下痢で眠れず。
わ〜い、身体は絶不調だ!

最終日は、この9日間のマンガ授業体験記を1ページのマンガで描くというもの。
どのようなマンガを彼等が描くのか大変に興味があった。
出来具合は置いておくとして、それぞれの個性が出ていてなかなか面白かった。

日本のマンガ家志望者に同じ課題を描かせたら、おそらくほぼ全員が
オチを意識して描くと思う。
しかし、上がって来た課題にはオチらしいものがほとんどなかったのが中国らしい。

何を伝えたいのか分からないものもあったが、日本のマンガを全く知らないで受講した人もいるのだ。
講師の立場としては、よくここまで描けるようになったものだと感心する。
ただし、やはりレベル的には日本のマンガ家志望者に比べて低いように感じた。

「マンガのマンガ」を持参していた。
授業の中で、参考として様々な例を見せるためだったが、ほとんどの受講生がこの「マンガのマンガ」を買いたいと言う。

まさかそんなに展開になるとは思わなかったので、一冊しか持ってきていなかった。

そこで、最後の課題の1ページマンガでの優秀作に、賞品として提供することにした。
みんなのやる気モードが一気に上がったのがチョット嬉しかった。

正直なところ、授業後半のコマ展開・コマ割りは彼らには難しかったのか、集中力に欠ける時間が流れていたように思う。

マンガの生原稿(主線を描いただけのスキャン前のモノ)を、見本として数ページ持参していたのだが、それを見せるとみんなの目の輝きが変わり大興奮している様子だったので、その生原稿も提供することにした。

人数分は無いので、ジャンケンで勝った人に差し上げるということにした。
最終日だから、何か盛り上げて終わりたかったのだ。
盛り上がり具合は半端ではなかった。
授業中もこの位盛り上がってくれたらよかったのに・・・・って無理か。

何も手に入らなかった人達が気の毒だったので、人数分その場で私が今まで描いてきたキャラクターの絵を描いて渡した。

講義とは関係ないジャンケン大会での大盛り上がりのうちに、無事(?)10日間の講義が終了。
正直ホッとした。

始まる前は10日間は長いだろうな〜と思っていたけれど、実際に10日間が過ぎてみるとやっぱり長かった。

でも、日本で教えていただけでは気付かなかったイロイロな発見があって、大変に勉強になった10日間だった。

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中国でのマンガ授業の様子をお伝えするのは今回で終了です。
日記風に読んでもらおうと、毎日更新していました。
滅多に更新をしない私にしては、かなり頑張ったと思います。

今は専門学校は夏休みの真っ最中。
当然講師の私も休みになっているので、いつもより余裕のある日常を過ごしています。

余裕があるということは、収入がなくなるという事と同義語なのが自由業のキビシイ事情でもあります。

「マンガのマンガ2」を早く完成させなくちゃ・・・・・・。


posted by かとう at 04:59| Comment(2) | 中国でのマンガ授業

2012年08月12日

中国でのマンガ授業(11)

7月30日の日記。

講義9日目。

昨夜は何も食べずに寝た。
とにかく腹の具合が悪い。
同行しているKFSのスタッフの方も下痢が続いているらしい。
何年ぶりだろうとシミジミ語っていた。

2ページマンガを提出してもらう。
分かりやすく正確に描写されているものは、残念ながらなかった。
短時間で日本のマンガの構造や見せ方を修得するのは無理のような気がする。

私が描いた2ページマンガのサンプルをみせたら、分かりやすく描かれていることを確認したらしく、しきりに感心していた。
自分たちが苦心して描いた2ページなので「なるほど、こう描けば良かったのか!」と理解してもらえたのだろうと思う。

本日の課題は、2ページの続きの2ページを描くこと。
今度はシナリオに拘束されることなく、各自のオリジナルアイデアでストーリーを展開する課題だ。
トータル4ページで、マンガの導入部を作ることになる。
総合的な課題なので、難易度は更に上がる。

欠席者が目立つ。
やる気を無くしたのか、ついてこられなくなったのか、あるいは私達と同様に体調を崩してしまったのかは不明。
一部の受講生を除いて、やる気が失われているような印象を受ける。

日本のマンガにとってコマ展開・コマ割り・テンポはとても重要な要素なのだが、その重要性を理解できていないのか、難しすぎるのか・・・。
作業をせずマンガを読み続けている人がいたので、さすがに不愉快になり「マンガはいつでも読めるのだから、今しかできない事をしましょう」と言ってみた(もちろん通訳さんを通してだが)。
根は真面目なのだと思う。
すぐに作業に戻ってくれた。

気持ちが分からないではない。
自分のレベル以上のことをやるのは大変だし、投げ出したくなるものだ。
しかし、出来ないながらも頑張っている受講生もいる。
せっかくの機会なので最後までやりとげて欲しいと思う。

自分のアイデアを具体的にストーリー組み立て、コマ割りしていくことの面白さに気付けないなら、マンガ家になりたいなんて考えない方がよい。

明日は講義最終日。
もう一踏ん張りだ!

つづく
posted by かとう at 05:10| Comment(0) | 中国でのマンガ授業

2012年08月11日

中国でのマンガ授業(10)

7月29日の日記。

講義8日目。

昨晩も下痢で、腹の具合がすこぶる悪い。
朝になっても下痢は止まらない。
肩凝り・腰痛は最高潮に達した感がある。
昼休みにトイレにいったら、やはり下痢だった。
しかもケツから血まで出る始末。
そろそろ限界じゃないだろうか・・・・・(泣)。

今日の授業は、2ページマンガのネーム作業。
ひたすら描く作業なので、私は受講生のネームが出来上がるまで待つだけの忍耐の時間。

出来上がった人からチェックをし、アドバイスをして描き直しを1〜2回
させる。
マンツーマンで行うが、通訳が間に入るため通常の倍の時間がかかる。

さて、「困ったちゃん」の2人目はこんな人(女の子)。

自分に自信がある・・・・というか、自己顕示欲が強いのだろう。
課題に対して、自分の解釈で描く。
素直に課題の意図を読み取らず(取れず?) 、周りの受講生達のウケ狙いで描き、課題を提出する。

課題の意図を読み取ってクリアーした上で、更に自分の解釈を加えたモノを提出するなら素晴らしいのだが、そうではないので大変困る。

絵に関しても独自の考えがあるのか、デフォルメが極端。
それが洗練されたモノならばイイのだが、日本で30〜40年前に流行ったようなデフォルメで、古臭く魅力がない。

シナリオを元にマンガのコマ割りをさせると、勝手にストーリーを変えてしまう。
本人は自信満々だが、自己中心的なコマ展開で読者には分かりにくい。

それらを指摘して、どうしたら分かりやすくなるのかを解説しても、「本人にとっては」つじつまがあったコマ展開なので、「分かりにくい」という私のアドバイスが納得できない。
「読者の視点」というモノの考え方が理解できないようなのだ。

結局私のアドバイスを一切無視して、自分の好きなように描いていた。
何のために受講したのだろう?

こういう人、日本の専門学校でも滅多に出会わないが時々居る。
人種関係なく、何処にでも居るんだな・・・・・と思ったら、ちょっと可笑しくなった。


つづく
posted by かとう at 05:08| Comment(0) | 中国でのマンガ授業

2012年08月10日

中国でのマンガ授業(9)

7月28日の日記。

講義7日目。

昨晩、眠れないほど胃の具合が悪くなり下痢で苦しんだ。
正露丸を飲み何とか治まったが、朝まで大変な思いをした。
一日中胃がムカムカして、体調がよくない。



おおよその受講生は真面目に取り組んでいるが、3人程「困ったちゃん」がいる。
そのうちの1人は、自分に力があると自信を持っている男の子(17歳と聞いた)。

絵はかなりしっかりしていて、最初の頃の課題の「人の頭部や体型」などの基本的な絵に関する描写は楽々とこなしていたし、その後の絵を描く基本課題に関しては、すべて簡単にクリアしていた。

本人にとっては易しすぎてヤッテラレナイ・・・・・という態度が3日目あたりから目立ち、気になってはいた。
昨日の「コマ割り」の授業でも、彼は自信満々に課題を提出してきた。
描かれている絵はかなり手抜きになっていた。

絵の手抜きはともかくとして、「コマ割り」というのはマンガを描くことの基本であり、「マンガは単なる絵ではない」ということが明確になる作業だ。

それぞれのコマにどんな絵を描いて、どのようにコマをつなげると、「分かりやすく面白くなる」のかということが重要になる。

彼のコマ割りは自分勝手な描写で、読者にとってはかなり不親切で分かりにくい表現になっていた。
シナリオを読んでいるので状況はすべて頭の中にあるため、 自分では完璧に描けていると思い込んでいるのだ。

これまでの課題では常にOKを出していたが、今回の「コマ割り」に関してはかなりのダメ出しをした。
あまり納得していないようだった。
自分の席に戻っても、指摘された部分を描き直す様子もなく、ふて寝をしていた。
(専門学校にもこの手の学生は稀にだが存在する)

授業の終わりに、今までやってきた課題の中で何が一番難しかったのかを全員に聞いてみた。
だいたいの人が「ほとんど全部」という中、彼だけは「今日のコマ割りだけだ!」と言っていた。

ダメな部分をたくさん指摘されたので、彼にとってはかなりのショックだったのではないだろうか。

単品の絵がいくら上手でもコマの中に上手く表現できない絵など、マンガを描く上で役には立たない。
彼を見ていて改めて実感した。

今日はシナリオを元に2ページのマンガを描く授業だったが、彼は欠席した。
彼にとってはとても勉強になる筈の授業なのに、実にモッタイナイよ。

残りの「困ったちゃん」については、また後日に。

つづく
posted by かとう at 03:34| Comment(0) | 中国でのマンガ授業

2012年08月09日

中国でのマンガ授業(8)

7月27日の日記。

講義6日目。

私の宿泊しているホテルの部屋にはシャワーしかない。
シャワーだけでは疲れが取れない。
肩こり・腰痛は最大限に大ピンチ状態になっている。
さすがに湯船にノンビリ浸かって身体を温め、伸ばしたい。
後6日か〜身体が持つかな〜〜〜〜〜〜(汗)。

コマ割りの授業、やはり難しいのだろうか。
適切な処理が出来る受講生がほとんどいない。
言ったことをそのまま描けば、ちゃんと描けるようにヒントを出すのだが、それが出来ない。
私の言うことを聞いているのか?と不安になってしまう。

「なぜちゃんと描かないのでしょうね?」と、通訳の人も疑問を口にしていた。

描くことに精一杯で、ヒントにまで頭が回らないのだろうか?

午後にマスコミの取材があった。
と言ってもそんなに大層なことではなく、女性の記者らしき人が教室にきて、授業風景を撮影し、私と受講生にインタビューするというものだった。
私に対する質問は三つ。
ひとつ目は「中国の学生はどうですか?」という定番の質問。
「熱心に取り組んでいると思います。」と答える。
ふたつ目は
「中国のマンガを読んだことがあるか?中国のマンガ家で知っている人はいるか?」という質問。
「言葉が分からないので、パラパラと見たことはある。中国のマンガ家さんの名は知らない。」と正直に答えた。
みっつ目は「中国でまたこういう講座を開くか?」という質問。
「需要があればやります。」と答えた。

受講生達には、どこから来たのか、受講した動機は何か、とか聞いて回っていたようだ。

マンガのことを知っているとは思えないような人だったので、通り一遍の質問しかできなかったのかな・・・・と思った。
それにしても、彼女の髪型は「どうしたんデスカ、その頭?」と聞きたくなるほど変だったな〜〜〜〜〜〜。

つづく
posted by かとう at 05:06| Comment(0) | 中国でのマンガ授業

2012年08月08日

中国でのマンガ授業(7)

7月26日の日記。

講義5日目。

今日は折り返し点になる日で、丁度半分の5日目にあたる。
疲れが溜まってきているのか、頭の回転がやや鈍くなってきている気がする。
生活習慣がガラリと変わったのだから、疲れないわけがないと思う。

今日からかなり本格的に、受講生は「マンガの文法」を学ぶことになる。
コマ展開、コマの中に流れる時間の認識とその実践。

コマの中にどのように絵を描くと、マンガを分かりやすくテンポよくみせられるのか?
それを課題を通して学び、確認してもらう。

その課題をこなしてもらう際に、やや困ったことがおきた。
今回の講義で使うテキストは、私がまとめたものを中国語に翻訳したものだ。
使われている図版やページの確認などは自分で校正しているが、中国語になった文章は翻訳を信じるしかない。

で、その困ったことというのは、翻訳の際ややニュアンスの異なる言葉に変わっていたこと。

具体的に言うと、
「巨大化した人」の手に乗って、顔を見上げている人
                   ↓
「巨人」の手に乗って、顔を見上げている人

「巨大化したした人」と元々「巨人」では、表現方法が異なってくる。

なぜ気が付いたのかというと、出来上がった課題で「巨人」の手に乗って、顔を見上げている人を描いた受講生がいたからだ。

「巨大化した人」の手に乗って顔を見上げている人、の表現としては不十分だとアドバイスを与えようとしたら、翻訳のニュアンスの違いに通訳さんが気付いてくれた。

翻訳のニュアンスの違いを説明して、改めて解説・講評をした。

言葉の大切さを実感した。
日本のマンガに詳しい有能な通訳さんで大変助かったのだが、私の話し
た微妙なニュアンスが間に通訳が入ることで変わっている可能性もあるのではないかと、ふと思ったりした。

明日からは「コマ割り」の実践授業に入ことになるので、受講生にはかなり難しくなってくると思う。

私も疲労が溜まってきているが、連日の課題の連続で受講生達も相当に疲れてきているように見える。
地方から出てきているので、寮に泊まり込みという人が多いのだ。
中国は広い。
日本から北京に来るのと同じ位の労力をかけて来てる受講生もいたと聞く。

あと残り5日・・・・・。
私の体力はもつのだろうか?

毎日早めに眠っているのだが、夜でも周りで工事の音はガンガンするし、ホテル内で騒ぎまくる中国人客の声でなかなか眠れなかったりする。
朝目が覚めると、余計疲れている・・・ような気がする。



部屋.jpg
11日間宿泊したホテルの部屋。テレビと瞬間湯沸かし器がある。

ドラえもん.jpg
テレビのアニメチャンネルでは早朝・朝・昼・晩・深夜と毎日かなりの時間「ドラえもん」が放映されていた。
ホテルに戻ると何もすることがないので、テレビをボーっと見ていることが多かった。
言葉は分からなくても「ドラえもん」はストーリーが分かる・・・凄いな、日本のアニメって。

テレビ2.jpg
「ちびまるこちゃん」もやっていた。


つづく
posted by かとう at 05:24| Comment(0) | 中国でのマンガ授業

2012年08月07日

中国でのマンガ授業(6)

7月25日の日記。

講義4日目。

授業の内容が「マンガのコマ割り」とか「コマの中の絵」のことに関連してきたので、マンガの授業らしくなってきた。

相変わらず速いペースで授業が進んでいる。

午後の授業の終わり近くに、学院の偉い人が授業の見学にやって来たのでちょっと緊張した。

授業終了後、その人の招待で食事会。
日本料理に連れて行ってもらった。
連日の中国の食事は、慣れない身体にはかなり負担だった。
私は中華料理は好きだが、本場の中華料理は日本で食べる中華料理とは似て非なるモノだ。
日本人には日本料理が似合う。
刺身や寿司を食べて、生き返ったような気がした。

その食事会で、授業内容・指導方法についてベタ褒めされたが、半分は社交辞令として聞いておくことにした。

明後日にマスコミの取材が予定されているとのこと。
どんな取材になるのだろう?


トレーニングセンター.jpg
講義を行った伝媒大学内にあるトレーニングセンターの建物。


センターアップ.jpg
「トレーニングセンター」は「孵化器」なんですね。面白い。


学食.jpg
朝昼晩通った学食。
朝はほとんど毎日、肉まんとゆで卵を食べていた(日本と味がほとんど一緒だったので)。


つづく
posted by かとう at 04:40| Comment(0) | 中国でのマンガ授業

2012年08月06日

中国でのマンガ授業(5)

7月24日の日記。

講義3日目。

効果線・背景効果・描き文字について講義。
課題を出し、実習してもらう。

効果線・背景効果・描き文字というのは、日本でかなり独自に発展したマンガのテクニックだと思う。

中国では絵本がマンガの原点になっており、絵物語の延長としてマンガを捉えている。
だから絵はあくまで絵として描かれていて、絵から動きを感じ取らせる表現になっている。
効果線・背景効果・描き文字の使い方には、プロのマンガ家さん達の作品を見てもまだ戸惑いを感じる描き方が目立つ。


「背景効果」は中国語で該当する言葉がなく、どういう使い方をするのかを受講生のに説明するのに難儀した。

今日一日で2日分の内容を進めてしまった。
本来はもっと大人数を予定していたので、講評に時間がかなりかかると計算して組み立てていた課題内容だった。
なかなか予定通りに物事は進まないものなのだとつくづく思う。

この調子で進めていくと2〜3日分余ってしまうので、追加の課題を検討した。
予定では、用意したシナリオを2ページのマンガとして描く所までだった。
シナリオを元に描かれていれば、どんなセリフを喋っているかは分かるだろうと思ったからだ。
本来の目的は「初級講座」ということだったので、オリジナルでストーリーを考えてマンガを描くというレベルまでは考えていなかったのだ。

オリジナルのマンガを2ページ程描かせてしまおうと思っている。
言葉が分からないので描かれたマンガが理解できないため、やたら時間がかかるから課題としては無理だろうと避けていた内容。
こうなったらそれをやるしかないだろうと覚悟をした。

しかし、オリジナルを描かせると言っても、自由に描かせたら収集がつかなくなるのは目に見えているので、何かテーマをきめなくてはならない。

そこで用意したシナリオの続きを描かせるということを思いついた。
「さあ!次はどう展開するだろう?」という「展開法」を実践してみるという課題だ。
これなら何とかイケそうな気がする。

まだ先の話なので、じっくり検討して行こうと思っている。

つづく
posted by かとう at 05:15| Comment(0) | 中国でのマンガ授業

2012年08月04日

中国でのマンガ授業(4)

7月23日の日記。

講義第2日目。

表情の描き分けと、パースの基本的な知識、「背景と人物」描写。
表情の描き分けはほぼ予定通りの進行。
しかしパースに関しては皆飲み込みが早く、予定より短時間で課題が終了してしまった。

3日間で進めるべき課題を、2日間で終了したことになる。
今後もこのような進行が続く可能性もあるので、追加の課題を考える必要があるのは間違いない。


日本語で話し、それを中国語で通訳してもらうということは、二倍の時間話しを聞くことになるわけで、結構飽きるのではないかと思ったりする。
また、マンガを描いたことのない人にとっては(Amazonの「マンガのマンガ」の「あのレビューの人のように)、講義の内容がどのように役に立つのかということさえも分からないので、退屈する可能性は充分にある。

講義をしていると受講生の集中力が失われていくのが分かるので、解説は簡単にして課題をさせる。
そのため講義予定時間がドンドン縮小されていく。

マンガをある程度描いた経験がある人なら、描く上での疑問や上手く処理できないことを解決するための内容がビッシリと詰まっているので、話の内容に飽きるはずはないのだが、それを初心者に要求する方が間違っているのかもしれない(ちょっと弱気モード)。

「マンガのマンガ」は「マンガ初心者のための」と銘打っているが、「初心者向けではないですよ」と知り合いのマンガ家さんに言われたことがある。
その意味が分かったような気がした。

日本での授業では言葉が通じるので、進行中の作業に対して適度なペースでアドバイスや修正を要求できるのだが、間に通訳が入るとタイミングがつかみにくくなるため、ついつい言葉をかけにくくなる。

言葉の壁というのは結構高いものなのだな〜と感じた。


つづく
posted by かとう at 20:55| Comment(0) | 中国でのマンガ授業

2012年08月03日

中国でのマンガ授業(3)

7月22日の日記。

講義第1日目。

受講生は地方から集まった人がほとんどで、マンガを描いた経験者が少ない。
年齢は一番下が15歳から上は30歳と多様で、フェーマスの直営教室の年齢層に近いように感じた。
絵もあまり描けない人が多く、日本で私が教えている専門学校の学生よりレベル的にやや低いようだ。

全員がマンガ家になりたいというわけではなく、例えば美術の先生をしていて、授業内容にマンガを取り入れる目的で、日本のマンガを勉強しに来たという人がいたり、ただ単にマンガが好きだから受講してみたといった人がいたりする。

最初の講義内容は、基本的なマンガにおける人物の描き分け。
マンガはとにかくパッと見て、何が描かれているのか分からなくてはならない。

キャラクターはマンガの基本中の基本。
男女、子どもと大人の描き分けや、年齢差による体型の描き分けなど、ポイント部分を講義して、実際に描いてもらう課題を与えた。

描ける受講生はとにかくサッサと描く。
検討するとか見直すことをあまりせず、描き終わるとサッと提出する。

逆に描けない人は延々と描き続け、いくら待っても提出しない。
専門学校でもよくあることだが、この時間差は本当に困る。
先に進むわけにもいかないし、ダラダラと待ち続けるわけにもいかない。
提出した人には何か別の課題を与えることになる。
課題を応用したワンランク上の課題を急遽考えてそれをやってもらう。

やけに時間が足りないな〜と、何か不自然さを感じふと気がついた。
実は本来なら2コマで進める授業内容を、1コマで進めてしまっていたのだった。
最初の授業ということで緊張していたのかもしれない。
今更後戻りもできないので、そのペースで授業を進めて行った。

体型の描き分けにはみんな随分苦労していた。
絵を描いた経験がない人には、人の身体をそれらしく描くのは並大抵のことではないはずだ。
コツを教えて、後は各自の練習量がモノをいうことになるだろう。

1日に2コマで10日間、計20コマの授業内容だが、初日に3コマ分を終わらせてしまったことになる。
同じ課題を続けると明らかに集中力を失ってくる様子が見えるので、とにかく今のペースで授業を進めていくしかないように思う。

追加の授業と課題を考えておく必要があるのではないかと、ちょっと焦る。

つづく
posted by かとう at 04:06| Comment(0) | 中国でのマンガ授業

2012年08月02日

中国でのマンガ授業(2)

昨日(1日)無事帰国しました。
精神的にも肉体的にも大変疲れました。

中国入りした7月21日の晩は、北京では数十年ぶりの大雨とかで街中が大洪水になり大騒ぎだったようです。
初日は学校側の接待で豪華な中華料理をたらふく食べ、夜中に胃の具合が悪くなりウンウン苦しんでいた私は、大雨のことは翌日知りました。
そういえば夜中にゴロゴロと雷が激しくなっていたような気がします。
私は自分のお腹がゴロゴロしていたので、それどころではなかったのでした。

同行されたKFSスタッフと私の2人以外は全て中国の人という状況です。

いざという時に言葉が通じなかったらどうしよう?という不安。
中国人に日本のマンガの描き方を教えて、どこまで理解してもらえるのだろう?という不安。
初日から体調を崩して、これから10日間も持つのだろうか?という不安・・・・・・等々。

様々な不安を抱えて、いよいよ講義がスタートすることになります。

次回からは、授業中に感じた事や起こった出来事などを日記風に書いていこうと思っています。
帰国後の仕事のスケジュールが詰まっているため、時間を見ながらの更新になります。

つづく
posted by かとう at 05:31| Comment(0) | 中国でのマンガ授業

2012年07月19日

中国でマンガ授業(1)



フェーマスでインストラクターとして添削の仕事をさせてもらっていますが、フェーマスの会員の方達を対象にした直営教室のマンガの講師もさせてもらっています。

そんな関係で、昨年フェーマスの仕事の一環として、北京にある伝媒大学(*)で「日本のマンガ表現」という講義を数時間させてもらう機会がありました。

その時の講義の詳細はKFSにより紹介されています。
興味のある方はご覧ください。

http://mangaartist.web.fc2.com

基本的な日本のマンガ文法を解説したのですが、効果線の使い方に受講生達の目が輝いていたのが印象的でした。
中国のマンガは絵を見せることはできても、マンガとして魅せる方法を知りません。
中国で市販されている中国のマンガ雑誌を見ると、効果線を大胆に使ったマンガはあまり見かけませんし、使い方もかなりイイカゲンでした。

日本のマンガは大人気で、コミケのようなイベントも数多く開催されているようですが、中国のマンガはまだまだ発展途上なのですね。

その流れを受けて、また伝媒大学でマンガの授業をすることになりました。
今回は10日間という長丁場になります。

内容は「マンガのマンガ」で描いたマンガ文法にポイントを絞った授業です。
人物の描き分けから、コマ構成にいたるまで20項目を講義。
実技演習をし、講評をするという予定です。

昨年の経験から、中国でもオタク(褒め言葉です)は日本と同じだという印象がありました。
10日間という長丁場なので不安で一杯なのですが、私の「マンガ文法」にどれだけの説得力があるのかを試すいいチャンスでもあるので、期待もしています。

7月21日に日本を発ち、8月1日に帰国予定です。

ブログの更新が滞りますが、戻りましたら中国での授業の様子などお伝えしたいと思っています。

*伝媒大学:中国で権威のあるアニメーションの大学
posted by かとう at 06:37| Comment(0) | 中国でのマンガ授業

2011年07月31日

中国での基礎マンガ講義

北京の大学でのマンガの講義の詳細がKFSにより紹介されています。
興味のある方はご覧ください。

http://mangaartist.web.fc2.com/

私の著書「マンガのマンガ」の登場人物の先生を、私が実演したような講義です。
講義の内容は「マンガのマンガ」の初歩的な部分の抜粋ですが、それでも中国の学生さん達(プロの方も来ていたそうです)は、興味深く聞き入ってくれたようです。


posted by かとう at 05:24| Comment(0) | 中国でのマンガ授業

2011年07月21日

中国に行ってきました

KFSのインストラクターとして、北京の大学でマンガの講義をしてきました。
仕事オンリーで観光する時間などありませんでしたが、有意義な時間を過ごすことができました。
マンガが好きでマンガを描きたいと思っている若者は、日本も中国も同じなんだな・・・と実感しました。

今回は、日本のマンガの基礎構造の話(「マンガのマンガ」を元に構成しました)と、中国の学生のマンガ作品の5作品の添削です。

その様子は以下で紹介されていますので、興味のある方はご覧ください。

http://xinhua.jp/socioeconomy/politics%20economics%20society/278057/
上下2枚の写真の上が、講義中の私の写真です。

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/12461
授業内容と中国のマンガ事情の記事です。

中国の学生にとって日本のマンガはあこがれの対象のようですが、どうしたら日本のマンガのように面白く描く事ができるのか、暗中模索しているようです。

熱心に講義に耳を傾ける学生の姿が印象的でした。


posted by かとう at 20:42| Comment(0) | 中国でのマンガ授業