2017年03月02日

扉とタイトル



専門学校の学生がストーリーマンガ制作に取り組むと、扉ページは「最後」に描くことが多いようです。

私自身も最後に描いていましたが、その「最後」というのは、ネームを終えた「最後」です。
ネームを描き終えたあとで、内容の面白さを的確に伝えられる気の利いたタイトルを考えるのには毎度苦しみましたし、一目見て興味をそそるようなビジュアルは、どんな要素をどうやってレイアウトするのか知恵を絞りました。

ところが学生達は、原稿を描きあげた一番「最後」に扉を描く人が多いです。
もちろんそれでもOKなのですが、かなりおざなりな描き方をしているように感じられます。
描かれる絵もそうですが、タイトルもかなり安易です。

扉というのは読者が一番最初に目にするページです。
これから読もうと思っているマンガを「面白そうだなァ!」と期待させるようなページである必要があります。

そのためには、どんな内容なのかが魅力的に伝わるようなビジュアル構成と、それに連動したタイトルが重要になってきます。
考えようによっては、中身の数ページを描く以上に手間のかかる作業だったりするのです。

扉の制作はポスターをデザインする作業に似ています。
どんなコンセプトで、どのような絵とどのようなキャッチコピーをいれるのか。
具体的にどんなレイアウトにするのか。

ストーリーマンガを大変な思いをして規定のページ数で描き終えたことで、学生達は気が抜けてしまうということもあるのかもしれませんが、ただの絵と思いつきのタイトルの扉になってしまっているケースをよく見かけるのです。


扉というのは、「これから始まるマンガの内容」が伝わる事が重要です。
例えば、ホラーマンガならいかにも怖そうな雰囲気を醸し出す絵が描かれていると効果的です。

アクションを見せるマンガなら、アクションマンガだと分かる画面が構成されていなければ困るわけです。

ラブコメマンガの扉が、おどろおどろしい不気味なものでは違和感が生じるのです。

タイトルもそうです。
それらしいものが必要になります。

絵と違って、実は言葉というのは想像力を刺激します。
言葉は様々な要素を含んでいるので、言葉の選択により受け取る刺激は大きく異なることになります。

話はちょっと飛びます。
書店で面白そうな本を探す時に、当然のことながら棚に並んだ本の背表紙を見るわけですが、お目当ての作家を探すのでなければ、タイトルを見て選びます。

本棚に並んだタイトルを見てもらうと分かるのですが、想像力を膨らませるようなタイトルというのは存在します。
モチロン、選ぶ人の持っている趣味・嗜好に影響されるのですが、面白そうな本は「本」の方から声を掛けてきます。
外れることはたまにありますが、だいたい間違いなく面白いです。

私は一時期ホラー系を好み、それらしいモノを漁る事が多かったのですが、ホラー小説でもツボにハマるタイトルがついているモノは、中身も間違いなくハマりました。

ちなみに今までのベストタイトルは「怪奇小説という名の怪奇小説」。

怪奇小説っぽくもあり、ミステリーっぽくもあり、ふざけている様でもあり、何とも不思議な印象を受けました。
そのタイトルに引かれてつい購入しましたが、タイトル以上に中身は不思議で面白く、今でも時折読み返す小説です。
それ以来作者の都筑道夫さんの大ファンになりました。


マンガ家志望者は言葉を操るのは苦手なのかもしれないけれど、タイトルをつけるセンスは是非養って欲しいです。

ちなみに、かつて専門学校生の描いた作品で感心したタイトルがあります。

「彩子の左眼」(サイコのひだりめ)

マンガ自体は未熟なものでしたが、このタイトルは凄いです。



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2016年12月03日

「人並みの集中力と持続力」では難しいかも


「ストーリーマンガを描く」という作業は大変な時間を必要とするため、トテツモナイ集中力と持続力が必要になります。
それをマンガ家は当たり前のように、〆切に間に合わせて描いているのですから凄いです。

こんなことは以前の私なら口に出す事はありませんでした。
なぜなら自分はマンガ家でしたから、そんなことは当たり前のことだったからです。

こんなことを言い出す自分に驚いているのですが、これはおそらく年を取って能力値が下がってきたからだと思います。
最近は集中力が衰えてきました。
持続力も目に見えて少なくなっています。
以前なら3時間や4時間机にかじりついていても平気だったのですが、最近は1時間が限界です。
普通の人並になってしまった感じです。

専門学校の学生たちは休み時間を取ることもなく、授業中は午前3時間午後3時間完璧に集中して原稿を描いています。

それでもナカナカ原稿が描き上がらない。
(描き慣れていないので、手が遅いという理由もあるかもしれませんが)
つまりこの集中力を継続しても、なかなか原稿は描き上がらないものだということです。

昔の自分を振り返ると、とんでもない集中力でマンガを描いていたということが実感でき、凄い事をよくやってきたなぁと改めて感心してしまうのです。

「マンガ家になりたい」と思つている人は、この異常とも思える集中力・持続力を持ち合わせているでしょうか?

「マンガ家になりたい」と思っているだけではマンガ家になれるものではありません。
マンガ家になるための最低条件として、この「異常な集中力・持続力」は必要なものなのだろうとつくづく思うのです。


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2016年10月18日

ストーリーマンガを描く上で、最初に身に付けておきたいこと。



どんなに面白いアイデアでも、そのアイデアの面白さが伝わらないような、分かりにくい表現になっていては話にならない。

どんなに上手い絵でも、何を伝えたいのか分からない展開では読むのがつらい。

どんなに面白いストーリーを考えついても、そのストーリーの面白さが伝わらない構成・演出では意味がない。

自分が描きたいと思っている事を、読み手にちゃんと伝わるように描く。
そのためにはどういう表現・構成・演出をすれば良いのか?
コマ構成・コマ展開を考える上で、とても大切なポイント。

絵は下手でも、とりあえずOK。
よくあるストーリー内容でも、とりあえずOK。

何を伝えたいのか、読み手の負担にならずストレートに理解出来るマンガ表現を身につける事が大事。

当たり前の事ではあるけれど、ストーリーマンガを描く上での基本。


posted by かとう at 04:49| Comment(0) | マンガ家を目指す皆さんへ

2016年10月05日

「読み切り」作品を描く時に意識してほしい事



扉をめくった後の「冒頭の見開き4ページ」以内に主人公をアピールし、「どんな主人公が何をする話なのか」を「面白そう!」と期待をさせる導入部である事がとても重要。

最初の4ページで「どういうマンガなのかが表現出来ていない」と、「面白そう」と思わせる事が出来ず、その後の展開も「よく分からないマンガっぽい」と判断される可能性があります。

大量に送られてくるコンテスト応募作品の場合、予選審査では最初の数ページでふるいにかけられます。
実際に私自身も予選審査を経験してみて、実感します。
冒頭の4ページが「何を見せようとするマンガなのか」が伝わる描き方がされていない作品は、最後まで「何を見せたいのか分からない」という事がほとんどです。

冒頭4ページはとても重要。
読者に食いついてもらう事が大事。
その基本は「どんな主人公が、何をしようとする内容なのか」を伝える事。
ぜひ頭に入れておいてください。


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2016年07月25日

表情と仕草の重要性



学生が描くストーリーマンガのキャラクター達は、表情と演技に乏しいものが多いです。

表情の描き分けが曖昧なので、描かれた絵からキャラクターの心情が伝わってこない。
仕草が棒立ちで、演技に乏しいので感情が伝わってこない。

「どんな感情なのか」は「どういう表情をしているか」を見て判断するわけですから、適切な表情の演技が出来ないと、感情表現はできない事になります。

表情だけで心情を伝えることには限度があります。
それを補足するのが身体の動きです。
身体で演技をさせるということです。

ただ立っているだけで、演技をしていないキャラクターを学生は描きがちです。

「怒っているらしい」ということは伝わっても、どういう怒り方をしているのかが伝わらない。
驚いているようだけれど、どういう驚きなのかが絵を見ただけでは伝わらない。
笑っているようにも見えるけど、そうではないようにも見える。
でもセリフの言い回しからすると、喜んでいる絵のはずだ・・・・???・・・・という体験がよくあります。

プロのマンガ家の先生の作品を見てみれば分かりますが、基本的に登場人物は皆表情が豊かでしっかりと演技をしています。

画力が必要だという事はもちろんですが、キャラクターを動かすには「役者としての演技力」の才能も必要な気がします。



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2016年07月11日

持ち込みの話



編集部によって求めているものに違いがあるので、マンガを持ち込む際には「一社ではなく数社を回れ」といわれます。
分かってはいても精神的にかなりの負担になるので、なかなか実践は難しいものです。

先日、専門学校の一人の学生が持ち込みを決行しました。
19歳の女の子にはめずらしく、青年誌を希望している子でした。
わずかな時間で追い返され、玉砕して帰ってきたようです。

その作品は学校の課題とは別に描き上げたもので、私も見せてもらっており大変面白い作品だっただけに残念でした。
ただ、気になったのは持ち込み先。
この内容なら某編集部向きだと思ったので、そちらに持ち込むように伝えました。
早々にアポイントを取らせ再度持ち込みをした所、じっくり話をしてもらった末に担当付きになり、作品は預かりになったようです。

こういうことってよくある事のようです。
編集部の意向や担当さんとの巡り合いという運もあるのだろうと思うのですが、別の編集部に持ち込む事で、彼女の運命が変わったわけです。
もちろん「プロになるためのスタートラインに立っただけ」ですから,これからが大変なのは言うまでもありませんが。

だからと言って、何社にも持ち込みをすれば「必ずなんとかなる」というわけでもありません。
持ち込む作品自体がある一定のレベルをクリアしていない事には、どこへ行っても無駄に終わります。
「度胸をつける練習」という意味では成果はあるかもしれませんが、一定のレベルの作品を描ける力を身につける事が先決だと思います。

以前お世話になっていた地方の某専門学校では、年に一度バスを借り切って「持ち込みツアー」というイベントをしていました。
学校の課題で描いた作品を、みんなで揃って編集部に持ち込みに行こうという行事です。
当日になっても描き上げられず、バスの中でも作業していた猛者もいたようですが、当然やっつけ仕事になります。
そんな作品のレベルは、推して知るべしです。
そんな作品を見せられる編集者も気の毒です。

持ち込みをする事が「プロになるためのスタートライン」と思っている人がいるかも知れません。
持ち込みする事は誰でも出来ます。
持ち込みをして「評価され担当がついて初めてスタートライン」に立つ事になります。


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2016年06月07日

「読み切り」のストーリーマンガの主人公


特殊な能力を持った主人公というのは、ストーリーマンガの定番です。
特に少年マンガにおいては、ほとんどの作品が該当するのではないでしょうか。

プロ未満方達の描く「読み切り」(少年マンガ)作品を見ると、当然の事ながらその手のストーリーマンガが 目立ちます。

そんな作品群を見ていて気になるのが、主人公が「水戸黄門」になってしまっている展開が案外多いこと。。
どういうことかと言うと、「助けてもらう人」中心でストーリーが展開し、主人公は最後に活躍するだけという構成。

連載作品で「第〇〇話」であるなら、すでに主人公のキャラクターは立っているわけですから、主人公に助けてもらうキャラクター中心のストーリーでも成立します。

しかし「読み切り」となると、主人公の物語を描かない事には「キャラクターとしての主人公の魅力」が伝わりません。
大原則として、「主人公を中心としたストーリー構成」が必要です。

描いている本人は気づいていないのかもしてませんが、これはちゃんと気づいておかなければならない事だと思います。



posted by かとう at 04:29| Comment(0) | マンガ家を目指す皆さんへ

2016年03月07日

コマの中に描く情報


一つのコマの中に「たくさんの情報が詰め込まれている」と、伝えたいのがどの情報なのか読み取りにくくなります。

必要以上にセリフや描き文字が描きこまれている。
無関係なキャラクターや背景・小道具が描きこまれている…といったコマ。
それらが次々に展開すると情報を整理するために頭が混乱し、読み手は何が描かれているのか解らなくなってきます。
やがてだんだんと読むのが面倒になってきて、読むのを止めてしまうことになりがちです。

その逆も然りです。

何処にいるのか分からない。
位置関係がつかめない。
キャラの区別がつかない。
キャラが何をしている仕草なのかが分からない。
表情の描写が曖昧で心情が伝わってこない…といったコマのように、「必要な情報」が描かれていないと、読み手は脳内補完をせざるを得なくなります。
それらが続くと、脳内補完に限界が来て、理解不能になり読むのが面倒になってきます。
で、結果読むのを止めることになります。

必要な情報を適切にコマの中に納めると、分かりやすく、テンポのいいコマ展開になるのですが、慣れないうちはそれがとても難しいものなので、みんな苦労をするのですけどね(^_^;)


posted by かとう at 06:40| Comment(0) | マンガ家を目指す皆さんへ

2016年02月08日

分かりにくい「ストーリーマンガ」のポイント


何が描かれているのかよく分からない「ストーリーマンガ」を分類してみると、次のどれかに当てはまるように思います。
大きく分けて3つ。
<ビジュアル>と<コマ展開>と<ストーリー構成>。

<ビジュアル>
コマの中に描かれている絵が、具体的に何を描いているのか分からない。

例えば
●走っているのか歩いているのか分からないといったキャラクターの仕草。

●怒っているのか泣いているのか分からないといったキャラクターの表情。

●何が描かれているのかよく分からない背景描写など。

基本的には「画力がないため、絵として伝えられない」場合が多いようです。

<コマ展開>
「コマの中に何が描かれているのか」は分かるが、次のコマとどういう関連で繋がるのかが分からない。

例えば
●背景が描かれていないのでキャラクターがどこにいるのかが分からないとか、複数の登場人物の位置関係が分からない…といった「状況説明」の不足。

●誰のセリフなのか分からない会話…などの、マンガ表現の基本的な部分。


<ストーリー構成>

例えば
●主人公が誰だか分からない。

●登場する人物たちの「キャラクター」が伝わらない。

●キャラクターがどういう理由で、何をしようとしているのか分からない。

●なにを見せようとしているストーリーなのかが把握できない。

いわゆる「5W1H」が曖昧な構成になっている場合がほとんどです。


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2016年01月04日

「ネーム」の描き込み具合


「ストーリーマンガ」を描く際の「ネーム」は、いわばマンガの設計図みたいなもの。
どんなコマ割りで、どんなセリフが入って、どんな絵を入れるのか…を決める作業なので本来ならば絵は大雑把でOKです。

学生にはマンガ描き初心者が多く、中には生まれて初めてコマ割りをして「ストーリーマンガ」を描くという人もいます。
私の授業では、「ストーリーマンガ」を描く勘所をつかんでもらう為に、最初は「ネーム」は丁寧に描いてもらっています。

そうしないと、「何が描かれているのか一向に分からないネーム」が出来上がってくるため、アドバイスのしようがないからです。
(大雑把でも、何が描かれているのか分かるように描くのは技術が要るものなので、逆に初心者には難しいものなのです)

ある程度マンガを描くことに慣れてくると、ラフなネームでも何が描かれているのか分かるようになってきます。
丁寧にネームを描くと時間がかかるため、「もっとラフに描いて時間を有効に使うように」と指導を切り替える事になるもですが、タイミングが難しい。

丁寧に描くことに慣れてしまうと、「ラフに描くことが出来なくなる」という困った状況が起きるようになります。
ネームに時間がかかる原因が、「丁寧に描いているから」…というのはよろしくないです。
コマ構成・ストーリー展開・演出のチェックに時間をかけるのが、本来のネームの時間の使い方だからです。

時間をかけず適切にネームを描き上げる能力は、プロとして活動を目指す上でかなり重要です。



posted by かとう at 05:31| Comment(0) | マンガ家を目指す皆さんへ

2015年12月28日

客観視の難しさ



自分の絵を「第三者の視点で見る」ことはとても難しいものです。
だから、自分の描いたキャラクターの「形の不自然さ」に気付けない事が多いです。
指摘されても、「そんなことはない」ように感じられてしまいます。

コロコロで「ワールドヒーローズ」を描いていた頃、「キャラクターの体型の不自然さ」を担当さんに何度か指摘されたことがあります。
言われても「そうかな…??」と素直に受け止められなかったのですが、指摘された以上は直さなければならないので描きなおしました。
しばらく時間が経って直したものを見ると、指摘が正しかった事が分かり納得した経験があります。

描き手には「癖」があるもので(それは絵柄の個性にもつながるものですが)、強すぎると違和感が出てしまいます。
でも描いている本人は気付かないものなのです。

それと同様に、自分が描いたストーリーマンガのコマ展開を「第三者の視点で見る」ことも難しいです。
「自分の頭の中では」しっかりと分かりやすいコマが展開しているので、それに気付けません。

ストーリー構成やコマ展開に関しては、「担当氏にネームをチェックしてもらう」事で客観視してもらいます。
指摘されても「なぜ分かってもらえないのか」と不満を感じることもしばしばですが、「伝わらない部分」が明確になる分、描きなおすのも容易になります。

ここで重要な事は、「適切な指摘が出来る人」にみてもらえる事。
「分かっていない人」に指摘され、それに従うと悲惨な目に会う場合があるので要注意なのです。


posted by かとう at 06:46| Comment(0) | マンガ家を目指す皆さんへ

2015年11月30日

独りよがりの「ストーリーマンガ」表現


自分の頭の中にあるモノが読者にも当然分かっている筈と思い込んで描かれている独りよがりの「ストーリーマンガ」の表現は 、分かりにくい展開になっている事が多いです。

マンガ家志望者の初心者は、一部の例外を除いてほとんどの作品がこの傾向の「ストーリーマンガ」になっているため、必死に理解しようと努めてコマを目で追って行くのですが、何度も後戻りします。
マンガを読むのがこんなに苦痛なものなのか・・・・と、ア然とする瞬間です。

こういう「ストーリーマンガ」を描かないようにするには、とりあえず「約束事としての基本的なマンガ表現」を忠実に守って描くしかないです。

ツイッターやブログを通じて何度も繰り返していて、「耳にタコ」かと思うのですが、大事な事なので繰り返します(;^_^A
守るべきは以下の4点。

★シーンの始まりには、背景とそこにいるキャラクターをしっかりロングショットで描き、舞台となる場所と人物の状況説明を読者に伝える。

★2人以上の登場人物が居る場合には、位置関係をしっかり描いて読者に伝える。

★基本的に人物とセリフは同一のコマ内に描き、誰のセリフなのかを読者にしっかり伝える。

★展開をセリフだけで伝えるのではなく、具体的に絵で描いて伝える。

少なくともこの4つがシッカリ守られていれば、そんなに分からない「ストーリーマンガ」表現にはならないはずです。

逆な言い方をすれば、これらを無視して描かれた「ストーリーマンガ」は、独りよがりの分かりづらい「ストーリーマンガ」表現ということになります。

posted by かとう at 06:36| Comment(0) | マンガ家を目指す皆さんへ

2015年11月23日

積極的に動く事が大事



十数年前、マンガ家志望者の交流の掲示板を運営していた頃の話。
担当さんにネームを送ったけれど一向に連絡をもらえず、「自分はもう見捨てられたのではないか」とか、「編集は忙しいのにこちらから連絡を入れては迷惑なのでは」と悩む人の書き込みが見られた。

その都度「忙しいからこそ、こちらから頻繁に連絡取るべき」とアドバイスしていた。
担当氏には「仕事の優先順位」があるから、どうしてもプロ未満の人の対応は後回しになりがちだが、気にしていることは間違いない。
だって、これからヒットを産むかもしれない「大切なマンガ家の卵」なのだから。

連絡を取る事によって、「こちら」も「あちら」も今の事情が分かれば、お互いに納得できる。
「相手に手間を掛けさせる」のではなく、「自分から動く」事が大切。

蛇足:
こちらが動かないと、編集サイドの視点として「ネームの返事連絡が出来ずだいぶ経つけど、なんの催促もないな。ヤル気あるのかな? もう少し放っておくか…。」という場合だってひょっとするとあるかも知れない。
そんな事でチャンスを失うのはもったいないと思う。

posted by かとう at 06:45| Comment(0) | マンガ家を目指す皆さんへ

2015年11月02日

アイデアが出るしくみ


マンガ家になるためには「たくさん本を読んだり映画を観たたりすると良い」と言われます。

自分の作品作りの参考にするとか、どうしたら面白くなるのかの演出を学ぶとか、体験を豊富にするための「疑似体験」をたくさんしておくと役に立つといったような意味だと考えていました。

脳に関する本を読んでいて、面白い情報を知りました。

「アイデアが思い浮かぶ」とか「新しい発見をする」時の脳の「ひらめき」について書かれた本なのですが、「ひらめく」時の「脳の働き」は、「記憶を思い出す」時の働きと同じだということが脳研究では分かっているそうです。

そしてもうひとつ、脳に入った情報は脳に蓄積されますが、そのままの形で記憶に残るのではなく、常に脳内で編集されて形を変えていくのだそうです。

自分なりの勝手な解釈なのですが、納得できた理由は以下の通り。


たくさんの本を読み、たくさんの映画を観ることによって、ストーリーや知識や演出方法など、たくさんの情報がドンドン脳に蓄積されていきます。

その中で、印象に残ったことや興味をもったものに対しては、意識・無意識にかかわらず脳が整理し編集されて記憶として残っていきます。
新たに本を読み、新たに映画を観ることによって、さらに記憶が脳の中で編集され続けます。

マンガ家が作品を描こうとする時に「アイデアが浮かぶ」という工程は、これらの編集された記憶を無意識に「思い出している脳の働き」なのだということ。

重要なのは、「編集されたデータ」の形です。
日ごろ経験することですが、昔見たAとBの映画の内容がぐちゃぐちゃになって存在しないCという映画の内容になっている・・なんてことはよくあります。
無意識の中の自分がそれらの編集をしているわけです。

どういう基準でCという映画に編集したのかは分りませんが、潜在的に個人が持っている興味や嗜好が影響していることは間違いありません。

これらの編集されたデータがたくさんあればあるほど「ひらめく」確率が多くなります。
そして、存在していなかった「組合せによる斬新なアイデア」として「アウトプットされてくる」ということになる。


ということなのではないでしょうか。

アイデアは、蓄積の無い頭からは出てこない。
逆にいえば、「ひらめく」には「情報をたくさん脳に蓄えることが大事」ということになります。


posted by かとう at 06:27| Comment(0) | マンガ家を目指す皆さんへ

2015年09月07日

構成力と演出力が大事


マンガを読んでもらうには、様々な手段で読み手に興味を持ってもらう必要があります。

まず、読者が最初に目を通す扉ページ。
扉絵とタイトルで興味を持ってもらう事が必要です。
扉に描かれた絵とタイトルと連動させて、興味をより大きくさせる工夫が重要。

扉に興味を持ってもらえれば、とりあえずページをめくってもらえ、最初の一コマに目を通してもらえます。
一コマ目にどんな絵を入れ、どんなセリフを伝えるか。
次のコマが見たくなるように、読者に興味を持たせる演出が必要になります。

左右見開きの最後のコマ(いわゆる「メクリ」のコマ)に、次のページの展開に興味を持たせる仕掛けをする。

こうして最後まで読者の興味を引きつけるる事で、マンガを最後まで読んでもらう事が出来るわけです。
当たり前の事だと思われるでしょーが、これがなかなか難しいのです。

思いついたストーリーをただ淡々と時系列で並べても、読者は興味を持ってくれません。
どういう語り口で、どういう構成の絵で読者の興味を引くのかがとても大切です。

ストーリー構成力と見せ方の演出力は「ストーリーマンガ」を描く上で不可欠なものですが、この事に気付かず作品を描いている方も多いようで、残念に思う事がしばしばです。



posted by かとう at 07:18| Comment(0) | マンガ家を目指す皆さんへ

2015年09月01日

難しい選択



同じ専門学校で同じようにマンガを学び、デビュー出来る人と出来ない人が出てくる事を考えると、本人の「頑張る力」が結局モノを言う‥という事なのかなぁと思います。

「これだけ」頑張ってるのにデビュー出来ないという人がいるかもしれません。
自分にとっては「これだけ」かもしれないけれど、デビューした人の量と比べると 圧倒的に足りないという事は考えられます。
あるいは、基本的な部分での才能がないのかもしれないし、単に運がないだけなのかもしれません。

で、諦めるか続けるか‥‥。

「続けていれば必ずデビュー出来る」というわけではないし、やめてしまえばそれでおしまい。

難しい選択だなぁと思います。


posted by かとう at 06:27| Comment(0) | マンガ家を目指す皆さんへ

2015年08月18日

見づらい原稿(ツイッターのまとめ)


先日行われた「ストーリー作り」のマンガ講座での話。

参加者の中に、既に担当付きのマンガ家志望者がいました。
講座終了後、「担当さんから私の描く原稿が見づらいって言われるんです。」と、最近作の原稿を見せられました。
拝見すると確かに担当は付く…と思われる程のしっかりした画力で、プロ並みの上手さ。

見づらいと思われる原因が幾つかあったので、その点をお話ししました。

1点目。
コマ内にスペースがあるにもかかわらず、フキダシが人物に被さって人物の一部が常に隠れている。
フキダシに隠れていて「絵がスッキリと見えない」コマが続くと、不満感が生じる。

2点目。
フキダシがコマからはみ出し、コマとコマに被さっている。
そういう形で描かれたフキダシを多用すると、セリフが主張して絵が目立たなくなり、見づらい画面になりがち。

3点目。
キャラクターのコマのブチ抜き表現が頻繁に描かれる。
ポイントとしての使われていればOKだが、多用されるとコマの流れが混乱し、見づらくなる。

4点目。
描きこ込んだ絵柄なのに、コマとコマの境界を1本だけで処理されているコマ割りが目立つ。
描き込んだ絵柄を1本に枠線で区切ると、枠線が目立たなくなり2つのコマの絵の見分けがつきにくくなる。
「間白」をとってコマの区別をつけると見やすくなる。

この文章だけでは伝わりにくいと思いますが、原稿の該当部分を指摘してアドバイスをしたので、ご本人には伝わったようでした。

ビジュアル的な表現に関して編集の方は専門外なので、「見づらさ」は感じても、「どう描いたら見やすくなるのか」というアドバイスは難しい のだろうな…と思いました。




posted by かとう at 06:06| Comment(0) | マンガ家を目指す皆さんへ

2015年07月28日

ネームの話


ネームというのはコマ割とコマ展開の構成をすること。
絵を上手く描こうとするよりも、コマ割・コマ構成の方に力点をおいて作業する事が重要。
絵を描くのは「下描き」の時が「本番」です。

連載中、今一つ納得できない箇所があるネームを描くと、その部分に編集のチェックが入り「ああ、やっぱり…」ということがよくありました。
学生のネームを見てチェックを入れると、「そこ、すごく迷ったんです」と必ずと言っていいほど答えが返ってきます。
「同じだ(⌒-⌒; )」と可笑しくなる事があります。

初心者は描いたネームを元に忠実に下描きをしがちですが、ネームはあくまでコマ展開の段取りでしかありません。

したがって、「下描き」作業の際にはネームをそのまま原稿用紙に清書するのではなく、コマの形や大きさの調整や絵のバランスなどの「ビジュアル処理の最終調整」が必要になります。

ネームも下描きも、コマの中に絵を描く作業に違いはありませんが、目的が異なるということを意識しておく必要があります。


posted by かとう at 07:19| Comment(0) | マンガ家を目指す皆さんへ

2015年07月07日

「キャラクターを立てる」という意味


「キャラクターが立っている」とか「立っていない」という言い方があります。

読者に「どういうキャラクターなのか」が「伝わる」か「伝わらない」かという事なのですが、勘違いしてキャラクター設定を丁寧に考える人がいます。

血液型とか星座とか生年月日とか、好きな食べ物とか好きな色とか…。
無駄とは言いませんが、それだけではキャラクターは伝わりません。

「日頃こういう事を考えている奴」で「もしこんな事が起こったら、コイツはきっとこういう事をする!」と読者に分かるキャラクターを具体的に描く事で、キャラクターは立ってきます。

「どういう事を考えているのか」や「どういう行動をするのか」の内容が、読者にとって興味があり、魅力的であればある程「キャラクターの立ち加減」が大きくなります。

「キャラクターが伝わらないと、キャラクターは立たない」。
なぜかと言うと、「どんなキャラクターなのかが解らない」と「読者は共感が出来ず、感情移入が出来ない」という単純な理由です。

キャラクターを立てるためには、基本的には「どういうキャラクターなのかが分かるエピソード」を描くのが一般的です。
キャラクターを伝えるための「短いストーリー」を用意しておきましょう、という事です。

注意が必要なのは、「マンガを描きなれない人」はこの「どういうキャラクターなのかが分かるエピソード」だけ描いて完結という作品を描きがちな事です。

「キャラクターが分かるだけ」では、「ストーリーマンガ」として成立しません。
「キャラクター紹介マンガ」でしかないので、「未完成なマンガ」としての印象を持たれます。

「キャラクターを立てる」は、ビジュアルの点でも重要になってきます。
どういうキャラクターなのかが「ビジュアルでも」伝わる描き分けが必要だという事です。

特に主人公は、見ただけで「こんな主人公!」と分かるようなキャラクター造形が望ましいです。
「その他大勢」的なキャラクターのビジュアル造形では、主人公としての魅力は伝わりにくいです。




posted by かとう at 06:15| Comment(0) | マンガ家を目指す皆さんへ

2015年06月23日

マンガ制作過程のポイントや心がけ


人それぞれだと思いますが、マンガを描く各作業の私なりのポイントや心がけなどを書いてみました。

アイデアやストーリーは常日頃から寸暇を惜しんで妄想し、片っ端からストックしておきます。
描きたい事が沢山あるとプロット(あらすじと考えてください)作りは戸惑うモノですが、一つに絞って「とりあえず今回はこれにしよう!」と「決めます」。
そのプロットを肉付けをして、頭の中で「映画のように」上映します。

その時点で大まかなイメージが固まってくると思うので、それをシナリオ風に文字でメモしていきます。
シナリオを書く時のポイントは、「固まったイメージ」を言葉に変換して「一気に」書く事です。
時間をあけると、「こうした方がいいかも…」と迷いが生じます。

シナリオを書く際に気をつけなくてはいけない事。
主人公が中心になって行動しているか。
「5W1H」がちゃんと書かれているか。
(「マンガのマンガ/ストーリー構成編」をご参照ください)

ネーム(絵コンテ)描く時は、エピソードを塊として描き分けていくとキリがよく、その都度達成感も得られます。
ネームはしっかりと「頭を使って」細部まで組み立てておくと、後の作業が楽になります。

下描き・ペン入れ・仕上げ作業は、ネームを元にリライトするだけの肉体作業です。
「頭を使わず」というのがポイント。
この段階で、「こうした方がいいかも…」などという邪念は一切持たない。

好きな音楽などを聞きながらリズムにのって、手をひたすら動かすといいです。
私はこういう感じでずっとマンガ描いていました。
何かの参考になれば幸いです(⌒-⌒; )


posted by かとう at 07:14| Comment(0) | マンガ家を目指す皆さんへ

2015年05月12日

簡単にストーリーがまとまった時には要注意


ストーリーを考える時、「どうしたら面白くなるか」という事よりも「うまくまとめる事」を優先してしまいがちです。
アイデアが浮かぶと、面白いマンガが描けそうだという予感を感じるものです。
しかし「面白さを伝えるためのストーリー構成」というのはなかなか厄介で、気付くと「ストーリーをまとめる事」を優先してしまい、「面白さを伝える事」は二の次になってしまう…という経験が私自身何度もあります^^;

さらに、スンナリとまとまるストーリーというのは、既存のストーリー(あのマンガとかこのマンガとか…)の筋立てを無意識の内に再構築しただけである場合が多いです。

「面白さを伝えるためのストーリー構成」というのは、アイデアにオリジナリティーがあればあるほど既存の枠にはまらない構成になる筈なので、そもそも容易に組み立てられるものでもありません。
(だからこそ、作業が面白いという事も事実ですが)

いとも簡単にストーリーがまとまったら要注意。
吟味し直してみる事をオススメします。



posted by かとう at 20:55| Comment(0) | マンガ家を目指す皆さんへ

2015年04月07日

「ストーリーマンガ」は「主人公が挑戦する行動」が軸になる


「挑戦」という言葉の響きだとやや偏った受け止め方がされてしまいますが、「目的を達成するための行動」と考えると分かりやすくなると思います。
「マンガのマンガ2/ストーリー構成編」を描いていて「5W1H」をどう解説したらいいのかと苦慮した際に、ストーリーの軸になるものは「主人公の行動」だという当たり前の事に気が付きました。

行動するということは当然目的も必ず存在しますから、ストーリー構造の軸は「主人公が目的に向かって行動すること(つまり挑戦)」を見せることなのだという結論に達したわけです。

脱力する程に「当たり前過ぎる事」なのですが、実はこのことが分かっていないマンガ家志望者が多い。
恥ずかしながら、実は私自身も「ストーリー構成編」を描くまで分かっていなかったのです^^;

過去の自分の作品を見返すとアイデアに頼ったものが多く、主人公がちっとも行動していない作品、ストーリーとしての体裁をなしていない作品があります。
投稿して没になった作品を思い返すと、主人公が行動していなかったことに思い当たるんです(;^_^A


「マンガのマンガ2/ストーリー構成編」でも描きましたが、マンガというのは懐が深くて、アイデアさえ斬新だとそれだけでも面白く読むことができます。
その辺りの区別がつかないままストーリーを組み立てていると、ただ単にアイデアを組み立てているだけのマンガでしかなくなります。
何処かで見たようなアイデアだけを並べても、ストーリーマンガにはなりません。

逆な言い方をすると、何処かで見たようなアイデアでも主人公を魅力的なキャラクターとして設定し行動させてやれば、それはしっかりとしたストーリーマンガとして成立することになります。

マンガ家志望者の作品に多いのが、「何処かで見たようなアイデア」を「見せるだけ」の作品です。

気付いて欲しいです。
「主人公の行動を描くこと」が「ストーリーマンガ」で最も重要なのだということを。

posted by かとう at 07:02| Comment(0) | マンガ家を目指す皆さんへ

2015年03月31日

「人に読んでもらえるレベルのマンガ」



人に読んでもらえるレベルのマンガを描くには様々な能力が必要なのだと、講師という「教える立場」になって一層感じるようになりました。

必要な能力 一つ目。

画力とかストーリー構成といったマンガを描く時には重要とされる能力はもちろんですが、セリフを適切に簡潔にまとめる能力などもかなり重要です。
言葉として成立していない言い回しや回りくどくダラダラとしたセリフは、読者の読む気を失わせます。
日本人だから日本語が使えるのが当たり前だと思われがちですが、的確に簡潔に使うというのはまた別な話です。
面白いマンガはセリフがしっかりしています。

どんな言葉を使うのかという選択によって、セリフは「コマの中に描かれた絵と連動」して、言葉だけでは表せない・絵だけでは表せない独特の描写を伝えることができます。
マンガの名作にはたくさんの名セリフが生まれますが、言葉の使い方のセンスが大きく影響しているのは間違いないです。


必要な能力 二つ目。

「見せたいのは何なのか」という情報を適切に整理する能力も必要です。
作品全体のテーマやストーリーに関してはひとまず置いておいて、コマの中に描かれる内容(絵)に関してです。
学生やマンガ講座の受講生達の作品をみると、何を見せたいのかが伝わってこないコマを描く人が目立ちます。

A
情報を詰め込み過ぎているために、そのコマで何を見せたいのかが読み手に判断できない。

B
見せたい部分が目立たず、「関係ない部分」を強調して描かれているため、違う意図が伝わってしまう。

大まかにいうと、AとBに分けられます。
描いている本人は、分かりにくいコマを描いていることに気付いていません。

見せたいモノが分かりやすくコマの中にポーンと描かれているから、読者は頭を悩ませることなく必要な情報を瞬時に受け止め、テンポ良くマンガを読むことが出来ます。
「マンガは分かりやすい」と思われていますが、AやBの描き方がされているマンガは「分かりにくい」ため、読み取るのに苦労します。

「何を見せたいコマなのか」が分からないマンガを描いている人は、先ずはそこから脱却してほしいです・・・・・
と、言うのは簡単ですが、描いている本人にその自覚がないことが多いので厄介だったりします。

何度か指摘してあげるとナントナク気付いてくれるのですが、適切に指摘してもらわないと自分一人では気付くまでにかなり時間がかかるだろうと思います。




posted by かとう at 07:21| Comment(0) | マンガ家を目指す皆さんへ

2015年03月25日

分かりやすく読ませる「ストーリーマンガ」のコマ表現



●フキダシは喋っている人物の側に配置し、人物の表情もしっかりと描き加えると分かりやすい表現になります。

映画やアニメと違って、マンガは声が出ません。
そのため、文字だけでは誰が喋っているのか分かりづらく、セリフのニュアンスが読み手に伝わりにくくなります。

フキダシの形や文字の書体・大きさの処理で、ある程度フォローは出来ますが、細かいニュアンスを伝えるには無理があります。
「表情という情報」と連動させる事によって、かなり微妙なセリフのニュアンスを伝えられる事が可能になります。

●複数のキャラクターが登場する場合、それぞれの位置関係が分かる一コマを最初に必ず描く。

具体的に言うと、ロングショットで「全員が描かれている」コマを描く。
位置関係が分からないと、ストーリーに入り込めなくなります。
最初にその一コマが描かれていれば、どういう位置関係なのかが読者の頭に刷り込まれるので、後は一コマキャラ一人でもOKです。

「背景」や「登場人物の位置関係」を描かなくても、「描き手は自分では分かっている」から「読者にも伝わる」と描き手が錯覚を起こしている場合があります。
当たり前の事ですが、「描かなくては伝わらない」です。


●シーンの最初には背景を描き、人物を配置したコマを描く。

背景が描かれていないと「ストーリーマンガ」の舞台になる場所が読者には伝わりません。
「キャラクターが何処にいるのか分からない」ため、読者はストーリーに入り込めなくなります。

「シーンのはじまりには背景を描く必要がある」と書くと、どんなコマにも背景をできるだけまめに描かなくてはいけないのか‥と勘違いをする人 がいるかもしれませんが、そういう意味ではありません。
極端な言い方をすると、シーンのはじまりの一コマにさえ背景が描かれていれば、次のシーンに移るまで、コマには背景を一切描かなくてもOKです。
「舞台となる場所を、ちゃんと読者に伝えられているか」という事が重要なのです。




posted by かとう at 16:41| Comment(0) | マンガ家を目指す皆さんへ

2015年03月11日

ストーリーマンガ家志望の初心者にありがちな作品



●キャラクターを紹介するためのエピソードしか描かれず、紹介されたキャラクターが「何をするのか」という行動までは描かれていない作品。

「キャラクター紹介のマンガでしかない」のですが、ストーリーが語られていると錯覚してしまっています。
エピソードで紹介されたキャラクターに興味を持って、読者は「さて、そんな主人公が何をするのだろう」という期待を持ってくれるわけですから、その主人公を行動させなくてはストーリーは動きません。
このことに気付かない人は多いみたいです。
指摘されれば気付くのでしょうが、ちゃんと指摘できる人がいないと、いつまでも同じところをグルグル回っているだけの無限地獄にハマります。


●主人公が行動するのではなく、周りのキャラクター達が動き回ってくれて、何となく終わる作品。

描き手が「主人公に自分を投影」しているのかもしれません。
「自分」をマンガの中に存在させ、キャラクター達が自分をかまって助けてくれることに面白味を感じてしまっています。
言い換えれば「読者不在、描き手の自分だけが楽しいマンガ」になっていることに気付いていません。

たとえばこういうパターン。
主人公は、内気で引っ込み思案の女の子。
憧れの男子がいるが、学校一の人気者で、とても相手にしてもらえないと諦めている。
彼女の親友がそれを知って、なんとか彼女の思いを彼に伝えようと様々奮闘して動き回る。
それを知った彼は、主人公に「実は、君のことがずっと好きだったんだ」と告白する。
「うれしい…」と感動する主人公・・・・・・・・・・・・。

主人公が全く行動していないので、読者は主人公に共感できません。
読者は、おそらく彼女のために動き回る親友の行動に魅力を感じるはずです。

「自分が日頃できないことを主人公に託して行動させる」というのが、本来の主人公の在り方。
そんな主人公の行動に、読者は共感し主人公と一緒になってハラハラドキドキして、泣いたり笑ったりするからマンガは面白いのです。
何もしない主人公になど、読者は共感などしてくれません。

こうしたら主人公らしくなるという一例は以下の通り。
主人公が、内気な自分の殻を破るにはどうしたら良いのかを考え、自分改造を始める。
どうしたら「その他大勢の女の子の中で自分を目立たせられるか」を考え、実行する。
これらの行動が、主人公のキャラクター性にあった共感できるようなものであればあるほど、主人公が魅力的に伝わるし、行動の一挙手一投足に読者はドキドキハラハラする事になります。

これでこそ、主人公としてキャラクターが立ってきます。


posted by かとう at 06:57| Comment(0) | マンガ家を目指す皆さんへ

2015年03月04日

「100文字でどういうマンガなのかを伝える」


以前、フェーマスの直営教室で講師に来ていただいた少年マガジンの編集者が受講生に課した課題です。
簡単なようでかなり難しい。
事実、ちゃんとした100文字を書けた人はほとんどいませんでした。

自分のマンガを100文字で言い表わせる人は、自分の描きたいものが理解できている人です。
例えば「孤独でつらい人生を過ごしてきた主人公は幸せになりたいと願っていたが、ある日突然不条理な世界に紛れ込み現実を見つめ直そうと決意し挑戦するが、邪魔者が現れて戦うことになってしまうマンガ」などという「100文字」は抽象的過ぎてダメ。
なんとなく分かったようでも、イメージが具体的に浮かんできません。
つまり、「どういうマンガなのか」が全く伝わってきません。
書かれた100文字で、具体的なイメージが伝わる事が重要。

「100文字」という少ない文字数で、どんなマンガなのかを具体的に想像させるのはかなり難しい。
かつて自分の作品を100文字で言い表そうとしても、うまく言い表せない作品がいくつもありました。
改めて読み返すと、確かに自分で何を描きたいのかが分かっていなかった事が理解でき、唖然とした記憶があります。

いまでは、何を100文字で書けばいいのか理解できます。
「どんな主人公が何をする話なのか」が伝わる「100文字」が書けていればいいのです。

そして、「どんな主人公」と「何をする」が、「ユニークであること」が「面白い!」と思わせるポイントになります。
理解できると単純な事なのですが、描きたいものが自分の中でしっかりと確立していないと「書けない」ものだと思います。


posted by かとう at 09:50| Comment(0) | マンガ家を目指す皆さんへ

2015年02月22日

「マンガ家志望者」になるまでの「道」


昔のブログの記事に加筆・訂正したものです。

「マンガ家志望者」になるまでの「道」というのがあります。

1、マンガを読んで楽しいのでマンガが好きになり、好きなマンガのキャラを真似て描いてみる。

2、ペンを使って描いてみたり、着色したりして楽しむ。

3、そのうちに、自分のオリジナルキャラクターを考えそれを描いて楽しむようになる。

4、やがて、オリジナルキャラを動かしてみたくなり、コマ割りをした本格的なマンガを描きはじめる。

5、実際に作品を描き投稿や持ち込みを開始する。

おおよそこんな流れがあって、マンガ家志望者という人達が生まれてくるのだろうと思います。
少なくとも、私はそうでした。

 「3」まではほとんどの人が楽しみながら進みます。
ところが「4」の段階で、どうしても最後まで描けず(作品を完成させることができず)、先に進めない人が出てきます。

理由はいろいろ考えられます。

★バストアップや同じ方向を向いたキャラクターといった自分好みの絵しか描いた事が無いから、全身や動きのある絵が描けないため「描きたくても」描けない。
★コマ割りの意味が分っていないので、コマで割ってマンガを描く事ができない。
★ストーリーやテーマがまとまらない内に描き始めるので、どうしても途中で行き詰まる。
★描いている内に飽きてしまう(もっと面白いものが描けるのではないかと思いはじめる)

他にもあるかと思いますが、おおよその原因は以上の4点です。
どうしたら克服できるのかといえば、答えは簡単です。
絵が描けないなら描ける様に練習すればいいわけですし、コマ割りは「マンガをたくさん読んで」みればおおよそのカン所は身に着きます。
ストーリーやテーマを最後までしっかり考え、がっちりと組み立てれば行き詰まることはなくなりますし、途中で飽きてしまうのなら飽きないような本当に自分が描きたいテーマを見つければよいだけの話です。
「口で言うのは簡単だけど、それができないから苦労している。」という声が聞こえてきそうですが、「出来ない」のではなく「やらない」からだと思います。

「簡単に出来るようになるコツを教えてください」とよく言われるのですが、「やる以外にナイ」ということに気が付く事が大事です。

突き放したままというのもナンなので、自分の体験から「克服するため方法」を提示します。

それは「完成度にこだわらず、まず短編作品を描く」ことです。
4ページでも5ページでもかまいません。
ヘタでもつまらなくても、作品としての形が出来ていればOKです。
最初から上手な原稿は描けるはずがありません。
重要なのは「作品を描きあげること」です。
それが次の一歩に結びつきます。

作品を描き上げた時の喜びは格別なものです(^_^)
その気持ちを体験する事で、次のステップに進めます。
是非試してみてください。

posted by かとう at 17:18| Comment(2) | マンガ家を目指す皆さんへ

2015年02月14日

詰め込みに注意!



「ストーリーマンガ」を描き慣れないうちは、「あれも描きたい!これも描きたい!」と、様々なエピソードやキャラクターを登場させ、詰め込んで詰め込んでストーリーを組み立ててしまいがちです。
出来上がって、人にみてもらうと「なにを見せたいのか分からない」と言われてしまうのはよくある状況です。

「描きたいモノ」がたくさんあって全部披露したい気持ちは分かりますが、原点に戻って考えなくてはなりません。
基本的に「ストーリーマンガ」は「どんな主人公が何をするのか」という軸で展開していくものです。
その軸を盛り上げるために必要な「エピソード&キャラクター」選び、混乱を招く不要なモノは排除して組み立てることが大切です。

描きたい「ストーリーマンガ」は説明が必要な特殊な世界観なので、それを伝えるために描き込まなくてはいけないものがたくさんあるのです。
だから詰め込まざるを得ないのです…という場合もあると思うのですが、その場合は「どの位のページ数を使うのか」によって可能・不可能が決まります。
もしも読み切り(32ページ位)で描くなら、基本的には「説明が必要な難しい設定」の話は描くべきではないと思います。
短いページ数で処理するには文字による解説に頼るしかなくなりますので、ダラダラと説明が続く「ストーリーマンガ」になってしまう可能性があります。
読者の読む気を失わせる「ストーリーマンガ」になるので、極力避けたいです。

そんな「ストーリーマンガ」を描く人に、「説明が長いと、やはり読んではくれないですかね?」と質問された事があります。
「あなたはそういうマンガを面白いと思って読みますか?」と逆に質問すると、「読まないですよね…(^◇^;)」と答えが返ってきました。
自分は読まないのに、読者は読んでくれるだろう…って、そんな事はあり得ません(;^_^A


posted by かとう at 17:53| Comment(0) | マンガ家を目指す皆さんへ

2014年12月15日

面白いマンガに影響されてしまうと、自分のマンガが描けなくなる


「マンガの表現方法を身に付けるため」にはマンガを沢山読む必要があるのですが、「面白いマンガを描く」にはマンガは参考にしてはいけないと実感したことがあります。

コロコロコミックでデビューする前(「マンガ少年」で作品を発表していた頃)、投稿や持ち込みで「ボツになる作品」は、影響されたマンガの亜流でしかないことに気付きました。
それは絵柄であったりキャラクターであったり、テーマであったり。
編集の立場からみたら、どこかで見たようなマンガでしかないわけですから面白味は感じられないでしょう。

マンガを参考にマンガを描いても、オリジナルを超えることなど出来ません。
それに気付かなかった自分は愚かだったけれど、好きなマンガはやっぱり好きなわけで、どうしたら自分の作品が影響を受けずに済むのかと考えて出した結論。
私の場合は「マンガを読まない」でした。
それ以来ほとんどマンガを読まなくなりました。

マンガを読むのが大好きな、プロで活躍している先生はたくさんいます。
そういう先生方は元々オリジナリティーをしっかりとお持ちになっているので、問題なく活動されているのだろうと思います。

影響されやすいマンガ家志望者は気を付けてください。
私がそうだったように、面白いマンガを読んで触発されても所詮劣化したものしか描けません。
その繰り返しが続いている限り、今のレベルから抜け出すのは難しいのではないかと思います。

posted by かとう at 06:03| Comment(1) | マンガ家を目指す皆さんへ

2014年09月26日

誰のセリフなのかが分かりにくい表現は避けよう!


誰のセリフなのかが分からないと、読み手はテンポよくマンガを読むことができません。
そのためには「誰のセリフなのか」がひと目で分かる描き方が望ましいです。

基本的には、「ひとつのコマの中にはセリフとしゃべっている人物を一対で描く」と分かりやすく、読みやすい。

ツイッターでは画像を載せて解説した事があるのですが、(ブログには画像を載せていなかったので)遅ればせながら画像をアップしておきます。

分かるマンガ.jpg

posted by かとう at 07:39| Comment(2) | マンガ家を目指す皆さんへ