2009年05月16日

未だに納得できないこと

もう17年近く昔の話なのですが、コロコロコミックの藤子賞の佳作入選した時の事です。
授賞式というのがありまして、式終了後に立食のパーティがありました。
藤子両先生もお見えになっていました。
なぜ藤子賞に投稿したのかといえば、やはり子供に夢を与え続けているマンガ家として尊敬できる人の名前を付けたマンガ賞に惹かれたからです。

授賞式でもパーティの時も、姿は拝見できても直接お話できる状態ではなかったので、H氏(当時のコロコロ編集長)の引き合わせとはいえ、直接言葉を交わすことができたのはうれしかったです。

実はひそかに色紙を用意していました。
尊敬すべき大マンガ家のサインをもらえたら、今後の励みになると思ったのと、当時私には小学に入る息子がいましたので子供の喜ぶ顔も見たいという思いがありました。

私が色紙を取り出すと、同期に賞に入った上山氏も同じ思いを持っていたようでバッグから色紙を取り出しました。
「先生・・・あのぅ・・・・これに、サ、サイ・・・・・ン・・・」との言葉も終わらないうちに、なんとH氏が私と上山氏の色紙をひったくる様に取り上げました。
「あとで書いていただくようにするから・・」

あまりに一瞬の出来事だったので、あっけに取られた我々二人でありました。
「まずいことをしてしまったのか・・・・?」とは思いました。
「大先生に向かって、このような席でサインを求めるなんて非常識?」ということがチラリと頭をかすめたわけです。
でも、これからマンガ家として頑張ろうとしている新人が、憧れの先生に直接お会い出来る機会などめったにないし、しかもこの賞には「藤子賞」という冠まで付いているわけだから、そんなに失礼に当たるとは思えません。

きっと藤子先生はサインくらいしてくださったと思うのです。
でも、色紙が先生に渡る前にH氏が取り上げてしまい「あとでね」といわれたら、先生はどうしようもありません。
私達もどうしようもありません。

相当な大人になった今考えれば、編集者としての立場でああいう行動を取らざるを得なかったのだろう・・・とは思います。
藤子先生が自分達で設けた賞ではなく、編集部で設けたマンガ賞に威厳を持たせるために『藤子賞』と冠をつけ、(言い方は悪いですが)宣伝のために藤子先生を利用しているわけです。
だから、藤子先生には余計な負担をかけるわけにはいかない・・・という気配りなのだろうとは思います。

しかし、目の前に憧れの先生を見て、マンガ家として夢と希望を胸に秘めている新人マンガ家としては、なぜか納得できない一瞬でした。
新人マンガ家の気持ちなどは「蚊帳の外」なのだと感じた一瞬でもありました。
賞金と副賞を頂いたわけですが、藤子先生のサインを頂くほうがもっと嬉しいという新人の気持ちは編集者には理解できないのかもしれません。

ちなみに、「あとで・・・」といわれて17年程経ちます。
もちろん、手元には色紙は返ってきていません。
コロコロの編集長もすでに何人も変わっています。

もういいやもうやだ〜(悲しい顔)
posted by かとう at 06:52| Comment(2) | 負の思い出